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台所と畑のあいだにある、小さな循環

  • yukisyoga
  • 6月21日
  • 読了時間: 2分

人間もまた自然の一部。長い時間をかけて、風や光、雨の恵みを受けながら進化してきた存在です。

そんな私たちが、忙しさの中で見失いがちな“自然とのつながり”を、ふと立ち止まって思い出させてくれるのが、土に触れる時間かもしれません。


私にとって野菜を育てることは、自然に還るような感覚。季節の流れに身をゆだねて、芽が出るのを待ち、育つ姿を静かに見守る。まるで、呼吸やアーサナの練習のような時間です。

育てている野菜は、台所で出た皮やヘタをコンポストにし、それを混ぜた土から育ちます。私が食べたものの“いのちの余韻”が、また新しいいのちへと姿を変えていく――。

同じものを食べ、同じ時間を過ごしている野菜たちは、まるで家族のよう。静かで、豊かなやり取りが、毎日の暮らしの中にあるのです。


野菜は、あれこれ手を加えなくても、必要な時期に、必要なように育っていきます。光と水と、ほんの少しの手間。それだけで、ちゃんと応えてくれる。人間が本来持っている「信じて見守る力」も、こんな小さな自然との対話の中で育まれていくのかもしれません。


大きな庭がなくても、ベランダや窓辺に置いたプランターでも、小さな命の循環は十分に感じられます。都市に暮らしていても、自然とのつながりはつくれる。それは、今の私たちにとって、ちょっとした希望でもあります。


お金を出して買うだけの暮らしから少し離れて、自分の手を動かすこと、自分で育ててみること――。それは、すぐに結果が出るものではないけれど、人生に静かな豊かさをもたらしてくれるように思います。


全てを自分で創り出すことは難しくても、小さなことから、少しずつ。土をさわること、皮を戻すこと、芽を見つけること。それだけで、暮らしが、すこし、変わっていくのです。




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