旅先で“何もしない”という選択
- yukisyoga
- 5月18日
- 読了時間: 2分
どんな旅が好きですか?
私は年に3回ほど、旅に出ます。行き先はその時々季節によって選びますが、移動手段はいつも徒歩か自転車。その土地を、自分の足で、あるいはペダルを漕いで巡ります。
「旅先で何をするの?」と聞かれることがありますが、正直に言うと——特に何もしません。
ただ、毎日、歩いたり自転車をこいだりしてその日の目的地を目指し、着いたらテントを張って眠る。朝が来たらまた、次の目的地へ向けて動き出す。それだけの、シンプルな旅です。
一見、退屈そうに聞こえるかもしれません。でも実はこの旅は、私にとって小さな冒険であり、日常を離れた体験そのもの。歩いたり、自転車に乗ったり、テントで夜を過ごすこと——すべてが新鮮で、五感がフルに働きます。
観光地巡りやアクティビティ、ご当地グルメは、私たちの旅にはほとんど登場しません。でも、目に映る景色、耳に入る音、肌に触れる空気は、その土地によってまったく違います。
そんな中で自然と、「工夫して生きる力」が養われていくのです。
限られた水をどう使うか。小さなクッカーひとつで、どうすれば3週間飽きずに料理ができるか。寒さや暑さへの対策をどうするか。そんな毎日の中で、暮らしの知恵が自然と育まれていきます。
今の時代、あまりにも便利です。情報はすぐ手に入り、物も簡単に手に入る。でも、だからこそ「工夫して生きる」という力が、どこか薄れてしまっている気がします。
旅に出ることで、不便な生活に身を置き、想像力や創造力をもう一度呼び覚ましているのかもしれません。
特別なことは何もしません。でもこの旅は、強いて言えば「自分の源に還る時間」。そして、「暮らすように旅する」——そんなささやかな営みを、私は大切にしています。

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