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地球に生まれたからには

  • yukisyoga
  • 10 時間前
  • 読了時間: 3分

自然とつながり、自分らしく生きるということ —


地球に生まれたからには、この星が育んできた自然を、もっとたっぷり味わって生きていきたい。

風の匂いをかぎ、木々のざわめきに耳をすまし、土の感触に安心して、太陽のぬくもりにほっとする。水に触れてはしゃぎ、虫や鳥の声にじっと耳をすます──そんな時間が、人としての感性や、心の土台を育ててくれるのだと思うのです。


けれど今の日本では、子どもたちがとても忙しい毎日を送っています。小学生でさえ、学校に塾に習い事、6つも7つも習い事をこなしている子もいます。中高生になれば、部活やテスト勉強でヘトヘトになり、「いい高校・いい大学」「将来のため」と、がんばり続ける日々。

気がつけば「生きること」よりも、「競争に勝つこと」に多くのエネルギーが注がれています。

ふと立ち止まって、「本当はどうしたい?」「今、どんな気持ち?」と自分の声に耳を傾ける時間も、ただぼんやりと空を眺める余白も、どこかへ追いやられてしまっているようです。


私たちは本来「自然の一部」として生まれてきたのに、いつの間にか自然から切り離されて、「効率」「結果」「成功」が優先されるようになってしまいました。

自然と共に生きること。ただ感じ、ただ味わい、ただ存在すること。それは「役に立つこと」よりも、ずっと根源的で豊かな営みのはずなのに、その価値が見えにくくなっている今の社会に、少し寂しさを感じます。


でも、私は思っているのです。

人生は、本当はもっと広くて、深くて、やわらかい。合格や就職だけがゴールじゃない。ただ生きること、笑うこと、感じること──それ自体が、すでに十分に豊かなのだと。


そして、自然にふれること、自分らしくあることを大切にしてきた人には、将来、ただ「仕事に就く」だけではない、自分の手で「仕事を創る」ための知恵や感性が、きっと育っていくと思うのです。

「何ができるか」ではなく、「どう在りたいか」。そこを出発点にする生き方には、たとえゆっくりでも、自分にしかない道が開かれていくはずです。


そしてその道の中で、外の評価や社会の価値観に左右されない「心の軸」が少しずつ育ち、やがて内側には、静かでゆるぎない“安定”が生まれていきます。

それは、就職や収入で得られる表面的な安定ではなく、どんな状況でも自分を信じて、生き抜く力となる本当の安定。そんな土台が育っていくのだと、私は信じています。


自然にふれることは、“ごほうび”ではなく、“土台”。それは人間として生きるうえで、必要な栄養のようなものです。

もっと、風にふかれていい。もっと、ぼーっとしていい。もっと、「なんとなく好き」「なんか気持ちいい」を信じていい。

そんな感覚を、子どもたちに、そして私たち大人自身にも、少しずつでも取り戻していけたら──この世界は、もう少しやさしく、のびやかになるような気がしています。



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