呼吸と静寂で育む、揺るぎない自分
「そのままの自分でいい」「自分の心の声に従う」。
そんな言葉をよく見聞きします。実際、それはとても大切なことです。私自身もレッスンの中で、そのようにお伝えしています。
しかし、ほんの1分でも静かに瞑想をしてみると、私たちの心がいかに落ち着きなく、あちらこちらへ彷徨っているかに気づきます。
そのような、揺れ動く心の声だけを頼りに従っていたら、私たちは本当に望む方向へ進めるのでしょうか。
だからヨガでは、まず心を整えることを大切にします。
私のクラスには、神秘的なものや謎めいた教えはありません。インドの摩訶不思議なマジックも、現代ヨガによく見られるような華やかな演出や、人目を引くための仕掛けもありません。
あるのは、呼吸を整え、身体を整え、心を観るという、とてもシンプルで伝統的なヨガです。
私たちは毎日、歯を磨きます。磨かなければ汚れが溜まり、健康を損なってしまうからです。
身体や心も同じです。日々の忙しさや感情、思い込みによって少しずつ曇り、本来の自分が見えにくくなっていきます。
だからこそ、一つひとつの呼吸にも妥協せず、コツコツと身体と心を整えていく。
それは特別な人のためではなく、年齢や経験に関係なく、誰にとっても役立つ、長い年月受け継がれてきたヨガの智慧です。
私のクラスでは、呼吸法、アーサナ(ポーズ)、瞑想、そしてヨガ哲学を、初心者の方にも無理なく親しんでい
ただけるよう、わかりやすく取り入れています。
そして、毎月最終週には短いヨーガニドラーの時間も設けています。
そうして続けていくうちに、「できない私」「ダメな私」という心がつくり出した壁は少しずつ薄れていきます。
その先に育っていくのは、強さとしなやかさ、そして揺るぎない安定です。
そのとき初めて、「そのままの自分でいい」「自分の心の声に従う」という言葉の本当の意味が、自分自身の体験として腑に落ちてくるのではないでしょうか。
ヨガの教えには、こんな言葉があります。
「心は、最良の友にも、最大の敵にもなり得る。」
だからこそ、心を整えることから始める。それが、私が大切にしているヨガです。




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