わざわざ、の贅沢
- yukisyoga
- 7 時間前
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古いものに惹かれます。家、道具、食事……そしてヨガも。やっぱり古典スタイルが好きです。
旅も同じ。テントを積んで、自転車で山を越え、谷を越え、日々を移動する。時間の許す限り、どこまでも。
よく「すごーい」「体力ありますね」と言われますが、この旅のスタイルも、考えてみれば古いかもしれません。わざわざ大変な旅を選ぶ人は、あまりいません。毎日自転車を漕ぎ続けるのは体力がいるし、お天気は気まぐれ。野生動物を警戒する時もあります。正直、心が休まらない日もあります。
でも、なぜわざわざやるのか。それを深く考えたことはなかったけれど、やはり——感じるもの、見るものが、素晴らしいからなんだと思います。
旅の間は、日常では眠っている五感がすべて目覚めます。風の匂い、光の強さ、虫の声。それが人間らしさを取り戻してくれるようで、自然の静けさや美しさに心がすっと落ち着く。理屈ではなく、魂が喜ぶのを感じます。
日常でも、できるだけ自然の中で過ごすようにしています。ヨガで自分の内側(小宇宙)を感じる時間も大切。でも、旅の数週間に比べたら、やっぱり自然との距離を感じます。
車や電車に乗れば目的地まであっという間。けれど、自分の足と力でたどり着いたときに見える景色は、何にも代えがたい。道中で感じる空気、匂い、出会い——すべてが旅を豊かにしてくれます。
そして、なんといってもテントで迎える朝のワクワク。
大人になっても、です。鳥の声で目が覚め、次にカラスの声でまた起こされ、渋々起きて顔を洗い、ときには寝起きのまま湖へ飛び込む。太陽の光で体を乾かしながら飲む一杯のコーヒー。
それが、私にとっての贅沢です。
だから、きっと、私はまた——「わざわざ」旅に出るのだと思います。

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